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濱 克宏; 谷口 直樹; 本田 明
JNC TN7430 2000-002, 25 Pages, 2001/01
地下水中に金属材料が存在する場合の,地質環境への影響と金属材料の耐久性を評価する目的で,東濃鉱山坑内の花崗岩岩盤中において,非加熱条件での10年間の浸漬試験を実施した。平板状(30302tmm)の金属試験片(軟鋼および工業用純チタン)を有孔の容器に入れ地下水に浸漬させた。本報告書では,金属材料の耐久性を調査するために,所定の期間後に回収した試験片の外観観察,軟鋼試験片についてはその重量変化の測定,各種方法による腐食形態および腐食生成物の観察・分析の結果を示す。主な結果は以下のとおりである。(1)軟鋼試験片の重量減少量から,10年間の平均腐食速度は4.3610-3mm/yと求められた。(2)軟鋼試験片の腐食生成物は,緻密な皮膜状の物質の上に,多孔質な物質が堆積している形態であった。皮膜状の物質はマグネタイト等の2価の鉄を含む鉄酸化物,多孔質な物質はゲーサイトなどの3価の鉄を含む鉄酸化物でそれぞれ構成されることが分かった。(3)チタン試験片は試験開始時の研磨痕が保持されており,局部腐食等の発生は観察されなかった。
濱 克宏; 三ツ井 誠一郎; 青木 里栄子*; 広瀬 郁朗
JNC TN7430 2000-001, 47 Pages, 2000/12
地下水中にガラス材料が存在する場合の、地質環境への影響とガラス材料の耐久性を評価する目的で、東濃鉱山坑内の花崗岩岩盤中において、非加熱条件での10年間の浸漬試験を実施した。試験は、立方体および円柱形(外周をステンレス鋼で被覆)に切り出した試料をそれぞれ有孔の容器に入れ地下水に浸漬する方法(単独系)、粘土を充填した有孔の容器に試料を包埋して地下水に浸漬する方法(共存系)、また無孔の容器に地下水と試料を入れ坑道に静置する方法(静的浸漬試験)の3通りの条件で実施した。本報告書では、ガラス材料の耐久性を調査するために、所定の期間で回収した試料の重量変化の測定、試験期間が10年間の試料の各種方法によるガラス表面変質層の観察・分析結果を示す。主な結果は以下のとおりである。(1)試験開始時、試験終了時において地下水水質に有意な変化は認められなかった。(2)試料の重量減少量は試験期間にほぼ比例した。これは試験期間を通じて地下水の溶存ケイ酸濃度に大きな変化がなかったことに起因すると考えた。(3)立方体と円柱形の試料の重量減少量に差が認められた。これはステンレスの影響ではなく、ガラスの亀裂からの浸出に起因すると考えた。(4)共存系の重量減少量は単独系の8割程度であった。これは粘土に包埋した条件では試料近傍の溶存ケイ酸濃度が高いため溶解速度が低下したことが要因であると考えた。
伊藤 政幸
Radiation Physics and Chemistry, 47(4), p.607 - 610, 1996/00
被引用回数:13 パーセンタイル:72.37(Chemistry, Physical)本報では耐熱性のフッ素ゴムであるアフラスとバイトンの放射線劣化の温度依存性を検討した。各試料を90Cから200Cの一定温度に保たれた空気恒温槽の中で、Co-60線を2.5kGy/hの線量率で、最高1.25MGy照射し、照射後室温で物性を測定し、以下の結論を得た。1.両試料共に照射に伴い重量は減少し、その傾向は温度が高い程激しく、バイトンの方が実験した全温度領域にわたって重量が減少しやすい。2.照射に伴う体積固有抵抗の変化は少なく、その温度依存性も少ない。3.破断伸びは線量と共に減少するが、温度依存性は少ない。同じ線量で比較するとアフラスはバイトンの約2倍の保持率を持つことが明らかになった。